医療経営情報
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文書作成日:2017/07/31


 生産性向上策の一つが職員の能力を向上させることです。ここでは今年3月末に発表された調査結果(※)から、医療機関等における教育訓練の現状をみていきます。




 医療機関や福祉施設(以下、医療,福祉)の事業所における教育訓練の実施状況は、表1のようになっています。
 医療,福祉では、OFF-JTまたは計画的なOJTを実施した事業所割合が正社員で86.5%、正社員以外で66.0%となり、調査対象全体(以下、全体)よりも高くなっています。また、正社員、正社員以外ともに、計画的なOJTよりもOFF-JTを実施した割合が高くなりました。
 
 



 次に医療,福祉での実施割合が高いOFF-JTの上位5つをまとめると、表2のとおりです。
 新入職員や中堅職員向け研修の実施割合が50%以上と高くなっています。その他、技能の習得やコミュニケーション能力に関するOFF-JTも実施割合が高く、その割合は全体と比較しても高いことがわかります。





 人材育成を行う上の問題については、医療,福祉では人材育成に関する問題があると回答した割合が90.1%と、全体の72.9%よりも高くなりました。具体的な問題点として回答が多かったものは、

 ・人材を育成しても辞めてしまう(60.7%)
 ・人材育成を行う時間がない(57.0%)
 ・指導する人材が不足している(53.0%)


などとなっています。

 全体では、指導する人材が不足している割合が最も高いのですが、医療,福祉では、人材の流出の方が問題となっているようです。
 医療機関等では、教育訓練の効果を高めるためにも、職員を定着させるための取組が、より重要になっていることが伺えます。


(※)厚生労働省「能力開発基本調査
 日本標準産業分類に基づく15の産業分類に属する、常用労働者30人以上の民営事業所から抽出した7,177事業所を対象に、平成28年10月1日現在、もしくは27年度の1年間の状況について行った調査です。OFF-JTとは、業務命令に基づき、通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練(研修) 、計画的なOJTとはOJT(日常の業務に就きながら行われる教育訓練)のうち、教育訓練に関する計画書を作成するなどして教育担当者、対象者、期間、内容などを具体的に定めて、段階的・継続的に実施する教育訓練をいいます。


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