医療福祉の労務情報
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文書作成日:2016/10/31


 今回は、連続して出勤をしている場合、連続出勤日数の上限はどう考えればよいのかについての相談です。




 職員の急な退職が相次ぎ、人手不足の状況に拍車が掛かっています。一部の職員が連続して出勤をして急場をしのいでいますが、こうした連続出勤が違法ではないかと気になっています。




 週に1日以上の休日を確保することが原則であり、休日を確保することなく連続する出勤は、労働基準監督署の指導を受ける可能性があり、また過重労働防止の観点からも問題です。最大でも、12日連続出勤を超える状況は避けるべきでしょう。




 景気回復と労働力人口の減少に伴って、多くの地域や産業で人材確保難が加速しています。これまで、医療業界で働いていた人が一般企業に転職するケースもあり、業界全体で人材不足の状況に拍車が掛かっている印象を受けます。そうした中、ご質問のように一部の職員に業務が集中して連続出勤をせざるを得ないケースが、多くの医療機関でみられています。

 そもそも、労働基準法では第35条において、少なくとも1週間に1日の休日を労働者に与えなければならないことが定められています。また、4週間を通じて4日以上の休日を与えるという取扱いも認められていますが、その場合は就業規則にあらかじめ具体的な起算日を定めておく必要があります。実務上は最低でも、このいずれかの休日の確保が求められます。

 連続勤務の制限について明確となっている法令や通達は存在しませんが、労働時間に関する運用解釈や裁判例で「12日間連続で出勤したことは業務負担が大きく、過重労働による持病の悪化で使用者に賠償責任がある」と認められた天辻鋼球製作所事件(大阪地裁・平成20年4月28日判決)等を考慮しても、振替休日等の活用をしながら最大でも12日連続出勤を超えることがないように取扱いたいところです。なお、1年単位の変形労働時間制を導入している場合の連続出勤日数は原則として6日間とされており、労使協定において特に繁忙な時期として定める「特定期間」については最長12日までの連続出勤をさせることができます。

 また休日出勤にあたっては、厚生労働省による「過重労働による健康障害防止のための総合対策について(平成18年3月17日基発第0317008号・平成20年3月7日基発第0307006号)」において、「休日労働を行うことが可能な36協定であっても、実際の休日労働をできる限り最小限のものとするよう(中略)指導する」と定められています。そのため、過重労働防止の観点からも連続出勤は労働基準監督署の指導対象と考えるべきであり、正職員の確保が困難であれば、アルバイト等の活用によって改善すること等も検討して行っていきたいところです。


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