医療福祉の税務情報
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文書作成日:2017/05/15


 社会福祉法等の改正施行に伴う税制上の取扱いについて、厚生労働省からQ&Aが出されています。今回は、こちらを確認します。


 国民に対する説明責任を果たすため、経営のガバナンス強化や透明性向上等の改革を進める一方で、慢性的に不足する介護人材確保のための措置等について、法律の上からも見直しがなされています。これが今般施行されている、社会福祉法等の法律改正です。

 この社会福祉法等の改正に伴い、税制上留意すべき点について厚生労働省からQ&Aが発出されています。

1.租税特別措置法第40条の適用

 通常、個人が法人に対して財産を寄附した場合には、寄附時の時価と取得価額との差額について寄附者に譲渡所得として所得税が課税されます。しかし、寄附先が公益法人等である場合に、一定の要件に該当するときは、この所得税が課税されません。このことが租税特別措置法第40条に定められています。この規定を適用するには、定款に一定の事項を記載しておかなければなりません。

 ところで社会福祉法等の改正により、経営組織の見直し等を行うことになります。これに伴い、改正前の定款では改正後に適さないことから、定款の変更が必要です。この定款の変更により、上記租税特別措置法第40条を適用するために定めておかなければならない定款の記載内容に不備が生ずる可能性等があります。この点について、厚生労働省からQ&Aが発出されました。

 ここでは、定款の変更により租税特別措置法第40条の適用に則しなくなってしまった場合の非課税承認の取り消しの有無、逆に則した定款に変更したところ社会福祉法上、親族等特殊関係者の制限に抵触することとなってしまい、それが監査で発覚した場合の対応について、記載がされています。ご確認ください。

 なお、租税特別措置法第40条を適用するための社会福祉法人定款作成に当たっての留意点作成例もそれぞれ厚生労働省から発出されています。こちらもあわせてご確認ください。


2.消費税の申告期限

 これまで社会福祉法人が作成する計算書類等の期限は、毎会計年度終了後2ヶ月以内でした。これが社会福祉法の改正により、平成29年4月1日以降については、計算書類等の作成期間が1ヶ月間延長されて、「毎会計年度終了後3ヶ月以内」となりました。

 一方、消費税の申告期限は、原則として会計年度終了の日の翌日から2ヶ月以内です。

 上記、改正による書類作成期間の延長について、消費税の申告期限も自動的に「3ヶ月以内」に延長できるのかどうかについて、厚生労働省からQ&Aが発出されました。

 結論としては自動的に延長はされず、これまでどおりの「2ヶ月以内」です。消費税の申告納税が発生する社会福祉法人にあっては、期限にご留意ください。



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