医療福祉の税務情報
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文書作成日:2018/12/15


 年末を前に年内の贈与をお考えの方もいらっしゃることと思います。贈与を実行される前に、贈与税の計算の基本を確認しましょう。


 個人が個人から一定の財産をもらったときには、原則、贈与税がかかります。たとえば、“祖父から現金をもらった”場合が該当します。このような場合、贈与税の計算には、次の2つの方法があります。

  1. 相続時精算課税
  2. 暦年課税
 相続時精算課税は、贈与を受ける側(以下、受贈者)の選択によって行う計算方法です。それ以外は暦年課税により計算を行います。
 いずれの方法によるかで計算方法が異なる他、暦年課税については受贈者の年齢や贈与をする側(以下、贈与者)との間柄によって、適用する贈与税率が異なります。
 それではどのように異なるのか、それぞれの計算方法の基本について、簡単に解説します。


 相続時精算課税とは、生前に贈与した財産を相続時に課税し直して相続税を計算し、贈与時にかかった贈与税があればこれを精算する制度です。
 この制度による贈与税は、20歳以上の受贈者自らが一定の要件に該当する贈与者ごとに選択をして計算します。この選択を行うと、それ以降その贈与者からの贈与について、すべてこの相続時精算課税によって贈与税を計算することとなります。
 この場合の贈与者の要件は、60歳以上であることや、原則として受贈者からみて直系尊属(父母・祖父母など)であることなど、“年齢”や“間柄”の要件があります。

■計算式:(贈与者ごと

(贈与の価額の合計額(その年1月1日から12月31日まで)− 2,500万円(※1))× 20%(※2)
※1 贈与者ごとに最高2,500万円まで贈与税はかかりません。そのため前年以前で既にこの計算方法を使っている場合には、2,500万円のうちの未使用分(残高)となります。
※2 贈与税率は一律20%です。


 暦年課税はその名のとおり、1月1日から12月31日までの暦年の間に受けた贈与のうち、相続時精算課税により贈与税を計算しない財産について、贈与税の計算を行う際に使用します。
 この場合、計算対象となる財産すべてに贈与税が課されるのではなく、基礎控除としてその年ごとに110万円を控除し、その残額について贈与税率を乗じて贈与税の計算を行います。

■計算式:

(計算対象となる財産の合計額 − 110万円)× 贈与税率

 この場合の贈与税率については、平成27年分以降、“受贈者の年齢”と“贈与者との間柄”によって、「特例税率」と「一般税率」に分かれています。

□特例税率:次のすべての要件に該当する場合
  1. 受贈者の年齢が20歳以上であること
  2. 贈与者は、受贈者からみて父母や祖父母などの直系尊属であること
□一般税率:特例税率に該当しない場合
例.受贈者からみて義父母・叔(伯)父母・配偶者・子からの贈与の場合、年齢20歳未満の受贈者の場合

□適用される税率:

 暦年課税は相続時精算課税とは異なり、贈与者ごとではなく、受贈者が受けたすべての贈与の額の合計額から贈与税の計算を行います。そのため、その年中において「特例税率」と「一般税率」それぞれに該当する贈与者から贈与を受けた場合は、上記の計算式とは少し異なる計算方法により、贈与税の計算を行うこととなります。この計算方法について詳しいことをお知りになりたい場合は、当事務所へご連絡ください。


 このように今や、「現金500万円を贈与したときの贈与税はいくら?」の言葉だけで、単純に贈与税の計算ができない点をご理解いただくとよいでしょう。
 なお、上記“年齢”は、すべて贈与年の1月1日現在で判断します。その点もあわせてご確認ください。


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