医療福祉の税務情報
医療福祉の税務情報
文書作成日:2020/06/15


 事業収入の減少幅に応じて、来年度(2021年度)の固定資産税(都市計画税)が減免される措置が講じられました。対象となる事業収入は今年(2020年)分であることや、適用を受けるための期限も設けられていることから、今回は、当該措置の概要をご案内します。


 減免対象となる固定資産税(都市計画税)は、以下のとおりです。事業用の家屋や償却資産は減免対象ですが、土地は対象外であることを、まず確認しましょう。

  1. 事業用家屋及び設備等の償却資産に対する固定資産税(通常、取得額または評価額の1.4%)
  2. 事業用家屋に対する都市計画税(通常、評価額の0.3%)

 なお、この措置の適用を受けるには、認定経営革新等支援機関等から発行される確認書等を添付の上、来年(2021年)1月31日までに、対象市町村へ申告しなければなりません。


 この措置は、新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業者・小規模事業者が対象です。

(1)事業収入とは

 事業収入とは、売上高、海運業収益、電気事業営業収益、介護保険事業収益、老人福祉事業収益、保育事業収益などを指します。給付金や補助金収入、事業外収益は含みません

(2)減少幅

 事業収入の減少として、

2020年2月〜10月までの任意の連続する3ヶ月間の事業収入について、対前年同期比で30%以上減少していること

が要件です。

 つまり、開業年が2020年であれば、比較する前年同期比がありませんので、対象とはなりません。

(3)中小企業者・小規模事業者とは

 中小企業者・小規模事業者とは、次の要件に該当する事業者をいいます。

  1. @個人:常時使用する従業員の数が1,000人以下の個人
  2. A法人:次のいずれかに該当する法人(大企業の子会社は除く)
    1. i)資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
    2. ii)資本又は出資を有しない法人は常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

 業種は、風俗営業法第2条第5項に定める性風俗関連特殊営業を除き、あらゆる業種が対象となるため、医療法人、社会福祉法人、公益法人、特定非営利活動法人(NPO法人)、宗教法人も上記要件を満たせば、減免対象となる事業者に該当します。また、申告要件もないことから、青色でも白色でもいずれでも対象になることもあわせて確認しましょう。


 減少率に応じて、減免額は以下のようになります。

  1. 50%以上減少…全額
  2. 30%以上50%未満…2分の1

 クリニックを経営するには、診療用建物や医療用機器は欠かせません。診療科によっては、これらの投資額が大きいクリニックもあります。対象となる税金は来年度分ですが、対象となる事業収入は今年であるため、概要を今のうちに理解しておきましょう。

 なお、今年度(2020年度)分については、上記のような減免措置はありませんが、1年間の納税猶予措置が設けられています。こちらは、別途要件がありますので、ご注意ください。これら減免措置や納税猶予措置についてのご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

参考:中小企業庁HP
新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業者・小規模事業者に対して固定資産税・都市計画税の減免を行います


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。